Contact Form 7 のイベントを捕捉するためのGTMの設定

Contact Form 7 (CF7) のイベントをGoogleタグマネージャー (GTM) で設定する方法です。CF7の送信成功やその他のイベントをGTMで捕捉し、Googleアナリティクスなどに送信するための手順を説明します。

Contact Form 7 のイベントを捕捉するためのJavaScriptコードの追加 (dataLayerにプッシュ)

CF7には、フォームの送信状態に応じて特定のイベントが発火するJavaScriptイベントリスナーがあります。これを利用して、成功イベントなどをdataLayerにプッシュします。

通常、以下のJavaScriptコードをWordPressのテーマのfunctions.phpファイル、またはカスタムJavaScriptプラグインなどで追加します。これは、CF7の送信成功イベントを捕捉し、GTMが読み取れるようにdataLayerに情報をプッシュするものです。

JavaScript

document.addEventListener( 'wpcf7mailsent', function( event ) {
    // フォーム送信成功時にdataLayerにイベントをプッシュ
    window.dataLayer = window.dataLayer || [];
    window.dataLayer.push({
        'event': 'cf7_mail_sent',
        'form_id': event.detail.contactFormId,
        'form_name': event.detail.contactFormTitle,
        'form_fields': event.detail.inputs // 送信されたフィールド情報(必要であれば)
    });
}, false );

// その他のイベント(必要であれば)
// wpcf7mailfailed: 送信失敗
// wpcf7submit: 送信試行(成功・失敗問わず)
// wpcf7invalid: 入力エラー
// wpcf7spam: スパムと判定された場合

/* 例: フォーム送信失敗時
document.addEventListener( 'wpcf7mailfailed', function( event ) {
    window.dataLayer.push({
        'event': 'cf7_mail_failed',
        'form_id': event.detail.contactFormId,
        'form_name': event.detail.contactFormTitle
    });
}, false );
*/

このコードの追加方法:

  • WordPressテーマのfunctions.php: 非推奨ですが、テーマのfunctions.php<script>タグで囲んで直接書き込むこともできます。ただし、テーマを更新すると消える可能性があるので注意が必要です。
  • カスタムJavaScriptプラグイン: 推奨される方法です。Code SnippetsプラグインやCustom CSS & JSプラグインなどを使用して、WordPressのフッターに上記のJavaScriptコードを追加します。
  • GTMのカスタムHTMLタグ (非推奨): 理論的には可能ですが、GTMのコンテナが読み込まれる前にCF7のイベントが発生する可能性があるため、確実な捕捉ができません。上記のWordPressに直接コードを追加する方法を推奨します。

Googleタグマネージャー (GTM) の設定

上記のJavaScriptコードによってdataLayerにプッシュされたイベントをGTMで捕捉し、各種タグを配信します。

1. 変数の作成 (任意だが推奨)

プッシュされたform_idform_nameをGTMで利用できるように変数を作成します。

  1. GTM管理画面で「変数」→「ユーザー定義変数」→「新規」をクリック。
  2. 「変数の設定」で「データレイヤー変数」を選択。
  3. 「データレイヤーの変数名」に form_id と入力し、「データレイヤーのバージョン」は「バージョン2」のまま。「保存」。
  4. 同様に form_name も作成。

2. トリガーの作成

cf7_mail_sent イベントを捕捉するためのカスタムイベントトリガーを作成します。

  1. GTM管理画面で「トリガー」→「新規」をクリック。
  2. 「トリガーのタイプを選択」で「カスタムイベント」を選択。
  3. 「イベント名」に cf7_mail_sent と入力。
    • 重要: このイベント名は、上記JavaScriptコードで'event'としてプッシュした値と完全に一致させる必要があります。
  4. 「このトリガーの発生場所」は「すべてのカスタムイベント」または「一部のカスタムイベント」を選択。
    • 特定のフォームIDやフォーム名でのみ発火させたい場合は、「一部のカスタムイベント」を選択し、form_idなどのデータレイヤー変数を条件に設定します。
  5. トリガー名(例: CF7 - フォーム送信成功)を入力し、「保存」。

3. タグの作成

作成したトリガーを使って、Googleアナリティクスなどのタグを設定します。

例: Googleアナリティクス4 (GA4) イベントタグの設定
  1. GTM管理画面で「タグ」→「新規」をクリック。
  2. 「タグの設定」で「Google Analytics: GA4 イベント」を選択。
  3. 「測定ID」にGA4の測定ID (G-XXXXXXXXX) を入力、またはGA4設定タグを選択。
  4. 「イベント名」にGA4で表示したいイベント名を入力します。例えば form_submissioncontact_form_success など。
  5. 「イベントパラメータ」で、必要に応じてform_idform_nameをGA4に送信します。
    • 「行を追加」をクリック。
    • 「パラメータ名」に form_id、「値」にGTMで作成した{{form_id}}変数を選択。
    • 同様に form_name を追加。
    • (任意) event.detail.inputs を利用して、どのフィールドが送信されたかなどを詳細にGA4に送ることも可能です。ただし、個人情報が含まれないように注意してください。
  6. 「トリガー」で、2.2で作成したトリガー(例: CF7 - フォーム送信成功)を選択。
  7. タグ名(例: GA4 - CF7 フォーム送信成功)を入力し、「保存」。
例: Googleアナリティクス (ユニバーサルアナリティクス – UA) イベントタグの設定 (現在では非推奨)
  • 現在、GoogleアナリティクスはGA4が主流であり、UAは2023年7月1日にデータ処理が停止しました。新規で設定する場合はGA4をお勧めします。

テストとデバッグ

設定が正しく機能しているかを確認することが非常に重要です。

  1. GTM管理画面で「プレビュー」をクリック。
  2. サイトのURLを入力し、「Connect」をクリック。
  3. 新しいウィンドウでサイトが開きます。GTMのデバッグコンソールも同時に表示されます。
  4. サイト上でContact Form 7のフォームを送信します。
  5. GTMのデバッグコンソールで、cf7_mail_sent イベントがデータレイヤーにプッシュされたことを確認します。
  6. GTMのデバッグコンソールで、作成したGA4イベントタグが発火していることを確認します。
  7. GA4の「リアルタイム」レポートで、イベントが受信されていることを確認します。

注意事項

  • dataLayerの初期化: 上記JavaScriptコードの window.dataLayer = window.dataLayer || []; は、dataLayerがまだ存在しない場合に初期化するためのものです。GTMのコードスニペットがすでにdataLayerを初期化している場合でも、この記述があることで安全に利用できます。
  • 個人情報の取り扱い: フォームの送信内容に氏名、メールアドレス、電話番号などの個人情報が含まれる場合、それをそのままGoogleアナリティクスに送信することはGDPRや日本の個人情報保護法などのプライバシー規制に抵触する可能性があります。絶対に個人情報をGAに送信しないでください。 送信する情報に注意し、匿名化されたデータのみを使用してください。
  • jQueryとの競合: ごく稀に、WordPressのテーマや他のプラグインとのjQueryのバージョン競合により、CF7のJavaScriptイベントが正しく動作しない場合があります。
  • CF7のバージョン: CF7のアップデートにより、イベントの仕組みが変更される可能性もゼロではありません。もしうまく動作しない場合は、CF7の公式ドキュメントを確認してください。

これらの手順で、Contact Form 7のイベントをGoogleタグマネージャーで効果的に追跡できるようになります。


中小企業のマーケティングの始め方

中小企業がマーケティングを始める際には、限られたリソース(予算、人材、時間)を効率的に活用し、独自のアプローチを見つけることが成功の鍵となります。まず、やみくもに施策(Webサイト、SNSなど)に飛びつくのではなく、「戦略」を立てることが重要です。

マーケティングを始めるための3つのステップ

  • STEP 1: 目標設定と現状分析(戦略の基盤作り)
  • STEP 2: 戦略の策定とバリュープロポジションの明確化
  • STEP 3: 施策の実行とPDCAサイクルの維持

中小企業がマーケティングで成功するためのポイント

中小企業だからこそできる、予算や人材の不足を補うためのアプローチがあります。

課題成功のポイントと具体的な施策
予算不足無料または低コストのプラットフォームを最大限活用
SNS活用: 話題性のある企画でバズる仕掛けを作り、拡散力を活用する。
地域メディア連携: 地元紙や地元TV局など、地域メディアとの関係を構築し、無料で取り上げてもらう。
ニッチ市場での1番: 競合の多い大きな市場ではなく、小さなニッチな市場で「一番手」を目指す。
専門人材不足シンプルな戦略と既存社員の活用
一点集中: あれこれ手を出さず、最も効果の出そうな一つの施策に集中する。
既存社員の活用: お客様と接する現場スタッフの声を活かし、リアルな強みや悩みを戦略に反映させる。
外部パートナーとの連携: 必要に応じて地元の専門家や学生などと協力する。

中小企業のマーケティングにWordPress

WordPressは、中小企業のマーケティングにおいて、非常に汎用性が高く、費用対効果の高いツールとして多岐にわたる働きをします。

  • 企業の信頼性の確立とオンラインプレゼンスの構築
  • コンテンツマーケティングの推進 (SEO対策)
  • リードジェネレーション(見込み客の獲得)
  • Eコマース機能の追加(オンライン販売)
  • データ分析と改善

WordPressは中小企業がデジタル時代に競争力を持ち、成長するためのオールインワンのマーケティングハブとして機能します。

中小企業のマーケティング向けWordPressテーマ

マーケティングを解説(中小企業向け)