マーケティングに強いWordPressテーマを解説
目次
中小企業のマーケティングに最も使える可能性が高いのは、「THE THOR（ザ・トール）」や「Emanon（エマノン）」、そして「LIQUID PRESS（リキッドプレス）」です。
これらのテーマは、集客や収益化、ビジネスサイトの構築に特化した機能や思想を持っているためです。
マーケティングに強いテーマの特徴
中小企業のマーケティングにおいてWordPressテーマを選ぶ際に重要となる要素と、各テーマの傾向を比較します。
| テーマ名 | 主な特徴（マーケティング視点） | 期待できる効果 |
| THE THOR | デザイン性が高く、集客と収益にこだわり抜いた設計。SEO機能も充実しており、スピード性能も高い。 | ブランドイメージの向上と検索エンジンからの集客強化、CVRの向上。 |
| Emanon | オウンドメディア・ビジネスサイト向け。集客と読みやすさに特化し、「売れる仕組み」を作ることを重視。 | リード獲得や問い合わせにつながる設計、コンテンツマーケティングの効率化。 |
| LIQUID PRESS | オウンドメディア構築用テーマ。「LIQUID CORPORATE」など企業向けラインナップもあり、多言語化対応が可能なものもある。 | 企業情報の発信拠点として機能し、海外展開も視野に入れたサイト構築。 |
| GOLD MEDIA / GOLD BLOG | アフィリエイト・ブログ収益化に強い傾向。SEO対策が充実。 | コンテンツからの収益化を目指す場合に有効。 |
| RE:DIVER / STORK SE | ブログ・アフィリエイト向けのデザインや機能が充実している傾向。 | 情報発信やブログによるファンづくりに役立つ。 |
最適なテーマの選び方
最終的にどのテーマを選ぶかは、中小企業のマーケティングの「目的」によって変わります。
1. 集客とブランドイメージの確立を重視する場合
- 🏆 THE THOR
- デザインの質が高く、訪問者への信頼感やプロフェッショナルなイメージを与えやすいです。SEO・表示速度にも優れており、検索エンジンからの集客（SEOマーケティング）を主軸にしたい場合に強力です。
2. リード獲得や問い合わせを重視する場合
- 🏆 Emanon
- 「売れる仕組み」の構築に重点を置いており、お問い合わせフォームやCTA（Call to Action）の配置など、Web集客に役立つ機能が充実しています。コンテンツマーケティングを通じて見込み客を獲得したい場合に適しています。
3. 企業サイトとしての信頼性や多角的な情報発信を重視する場合
- 🏆 LIQUID PRESS
- 特に「LIQUID CORPORATE」などの企業向けテーマは、コーポレートサイトとしての機能性や信頼性を重視しています。企業情報やサービス紹介を体系的に行い、多言語対応が必要な場合にも選択肢に入ります。
どのテーマも基本的なSEO対策はされていますが、目的（アフィリエイト収益か、企業ブランディング・リード獲得か）によって、最適な機能を持つテーマが変わってきます。
マーケティング向けWordPressテーマの選び方
WordPressでマーケティングを成功させるためのテーマ選びは非常に重要です。サイトの目的達成に必要な機能と使いやすさ、そしてパフォーマンスを兼ね備えたテーマを選ぶことがカギとなります。
特にマーケティングを意識する際に重視すべきポイントをまとめました。
1. SEO（検索エンジン最適化）への強さ
集客の基盤となるため、テーマ自体がSEOに配慮された設計であることが必須です。
- 表示速度の速さ: ページの読み込み速度はユーザー体験（UX）とSEOの両方に影響します。コードが軽く、高速表示に最適化されているかを確認しましょう。
- レスポンシブデザイン: スマートフォンやタブレットなど、あらゆるデバイスで適切に表示される（モバイルフレンドリーである）ことが、現在のSEOでは非常に重要です。
- 内部SEO対策:
- 構造化データへの対応（検索結果での視認性向上）
- パンくずリストの自動生成（回遊性向上と検索エンジンへの伝達）
- 適切なHTMLマークアップ（Hタグ、メタ情報など）
2. コンバージョン（CV）を高める機能
訪問者を顧客や見込み客に変えるための機能が搭載されているかチェックします。
- CTA（Call to Action：行動喚起）機能:
- 記事の途中や最後に目立つCTAボタンやボックスを簡単に設置できる機能。
- サイドバーやフッターに固定表示できるウィジェット機能。
- ランディングページ（LP）作成機能: 広告からの流入や特定の目的を持った訪問者向けに、ヘッダー・フッターのない専用のLPを作成しやすい機能（またはテンプレート）があると便利です。
- お問い合わせフォームへの導線: お問い合わせページや資料請求ページへの導線が分かりやすく、設計しやすいか。
3. デザインとカスタマイズ性
マーケティングの目的に合ったデザインと、それを実現するためのカスタマイズのしやすさが求められます。
- 目的との整合性:
- 企業サイトやBtoB向けなら信頼感のあるシンプルで誠実なデザイン。
- ブログやアフィリエイトなら読みやすさや回遊性を重視したデザイン。
- デザインの着せ替え機能があるテーマは、初心者でもプロ並みのデザインを簡単に適用できます。
- カスタマイズの容易さ:
- HTML/CSSの知識がなくても、管理画面やブロックエディター（Gutenberg）で直感的にデザインやレイアウトを調整できるか。
- 記事作成を効率化するための装飾機能（吹き出し、ボックス、ボタンなど）が豊富か。
4. サポートと開発体制
長期的な運用を考えると、テーマが継続的に改善・サポートされていることが重要です。
- アップデートの頻度: WordPress本体やPHPのアップデートに対応し、セキュリティや機能改善のための定期的なアップデートが行われているか。
- サポート体制: 困ったときに質問できるフォーラムやサポート窓口があるか（特に有料テーマ）。
- 利用者・情報量の多さ: 利用者が多いテーマは、ネット上にノウハウや設定情報が豊富にあり、問題解決しやすいです。
有料テーマと無料テーマの選択
- 無料テーマ: 予算がない、お試しで始めたい、シンプルな機能で十分という場合におすすめです。（例: Cocoon, Xeoryなど）
- 有料テーマ: 本格的にビジネスや収益化を目指す場合、SEOやCVRを高める機能が充実しており、デザイン性が高く、サポートも手厚いことが多いです。（例: THE THOR, SWELL, Emanon Pro, AFFINGER6など）
WordPressマーケティングのメリット・デメリット
| 項目 | ✅ メリット (長所) | ❌ デメリット (短所) |
| 自由度・拡張性 | デザイン・機能の自由度が高い: テーマやプラグインの選択肢が豊富で、独自のブランドイメージや複雑な機能も実現しやすい。 | 自己管理の必要性: サーバー、セキュリティ、バックアップなどは基本的に自己責任で管理する必要がある。 |
| SEO・集客 | SEOに強い: Googleが推奨する構造に近く、SEOに特化したプラグイン（例：Yoast SEO）も豊富で、検索エンジンからの集客に有利。 | 表示速度の課題: 多すぎるプラグインや質の低いテーマの使用、画像の最適化不足などにより、Webサイトの表示速度が低下しやすい。 |
| コスト | 初期費用・運用コストが比較的安い: 本体は無料で、レンタルサーバー代とドメイン代が主な費用となるため、低コストでスタートできる。 | 学習コスト: 初期設定やカスタマイズに専門知識（HTML/CSSなど）が必要になる場合があり、習熟するまで時間や労力がかかることがある。 |
| コンテンツ | コンテンツ作成・更新が容易: 直感的なエディタ（Gutenberg）が標準搭載されており、ブログ記事などのコンテンツを簡単に更新・公開できる。 | セキュリティリスク: 世界中で広く使われているため、不正アクセスやハッキングの標的になりやすい。常に最新版へのアップデートが必要。 |
| コミュニティ | 豊富な情報・コミュニティ: 利用者が多いため、困ったときの情報（使い方、トラブルシューティング）がインターネット上に豊富にあり、解決しやすい。 | 機能の競合・依存: プラグイン同士の相性問題（競合）でサイトが不安定になったり、特定のプラグインに機能が依存しすぎると後々の変更が難しくなったりする。 |
WordPressは、その自由度とSEOの強さが最大の魅力ですが、自己管理の責任とセキュリティへの継続的な注意が必要となる点にご留意ください。
