マーケティングとWebマーケティングの違い

目次
マーケティングとWebマーケティングの違い
結論から言うと、Webマーケティングは「マーケティング」という大きな概念の「一部」です。
| 項目 | マーケティング | Webマーケティング |
| 定義・目的 | 商品やサービスが売れる仕組み全体をつくる活動 | インターネット上で「売れる仕組み」をつくる活動 |
| 活動範囲 | 非常に広い(企画、価格設定、流通、広告、販売など) | Web媒体(Webサイト、SNS、検索エンジンなど)に特化 |
| 主な手法 | 広告(テレビ、新聞、雑誌)、広報、店頭プロモーション、Webマーケティング全般など | SEO、Web広告、SNSマーケティング、メールマーケティング、コンテンツマーケティングなど |
| 特徴 | 顧客との直接的な接触も含むオフライン活動も重視 | データのリアルタイム分析や詳細なターゲティングが得意 |
1. マーケティング(Marketing)とは?
マーケティングとは、「顧客が求めている商品・サービスを開発し、その存在や価値を顧客に伝え、最終的に売れる仕組みを構築する、企業活動の全て」を指す、広範で総合的な概念です。
- 活動例:
- 市場調査、顧客ニーズの把握
- 商品・サービスの企画、価格設定
- 流通経路(どこで売るか)の決定
- プロモーション(広告・販売促進)
- 広報活動、ブランディング
Webを使用しない活動、例えばテレビCM、新聞広告、店舗での接客、電話営業などもすべてマーケティングに含まれます。
2. Webマーケティング(Web Marketing)とは?
Webマーケティングとは、その名の通り、「インターネット(Web)を中心に行われるマーケティング活動」のことです。
マーケティング活動の中の「プロモーション(宣伝・販売促進)」の手段の一つであり、インターネットというデジタルな媒体を利用することに特化しています。
- 具体的な手法例:
- SEO(検索エンジン最適化): 検索結果で上位表示を目指す。
- Web広告: リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など。
- SNSマーケティング: Facebook, X (旧Twitter), Instagram, LINEなどを活用した情報発信や集客。
- コンテンツマーケティング: 顧客の役に立つ記事や動画を作成・発信する。
- メールマーケティング: 既存顧客や見込み客へメールを配信する。
Webマーケティングは、アクセス数やコンバージョン率などを詳細に測定しやすく、結果に基づいてスピーディーに改善できるのが大きな特徴です。
補足:デジタルマーケティングとの関係
近年では、「デジタルマーケティング」という言葉もよく聞かれます。
- デジタルマーケティング: Webサイトだけでなく、アプリ、IoTデバイス、デジタルサイネージ、さらには店舗でのデジタル技術など、あらゆるデジタル技術を活用したマーケティング活動を指します。
- Webマーケティングは、このデジタルマーケティングの一部と位置づけられます。
全体像のイメージ
マーケティング > {デジタルマーケティング > Webマーケティング
このように、Webマーケティングは、従来のマーケティングが持つ「売れる仕組みづくり」という目的を、現代の主要なツールであるインターネット上で実現するための実践的な手法群だと言えます。
ご自身のビジネスや学習の目的に合わせて、どの範囲に注力すべきかを考えると良いでしょう。
主なマーケティング費用の種類
一般的にマーケティング費用として計上される主な項目には、以下のようなものがあります。
- 広告費(広告宣伝費)
- Web広告: リスティング広告(検索連動型)、ディスプレイ広告、SNS広告、動画広告(YouTubeなど)、アフィリエイト広告など
- マス広告: テレビCM、新聞、雑誌、ラジオ
- その他: チラシ、ポスティング、交通広告
- コンテンツマーケティング関連費用
- オウンドメディア(自社サイト)の企画・制作・維持管理費
- コンテンツ(記事、動画など)の制作費(内製の人件費または外注費)
- SEO対策(検索エンジン最適化)のコンサルティング費
- 販売促進費
- 販促イベント・展示会への出展費(ブース設営費など)
- ノベルティ制作費
- セミナー・ウェビナー開催費
- ツール・システム費用
- マーケティングオートメーション(MA)ツール、CRM(顧客管理)ツール
- アクセス解析ツール、SEOツール
- サーバー・ドメイン費用
- 人件費
- マーケティング担当者の給与、福利厚生費
- 外部の専門家(コンサルタント、ライター、デザイナーなど)への報酬
施策別の費用相場(Web/デジタルマーケティング中心)
特にデジタルマーケティングの分野では、施策によって費用の形態や相場が大きく変わります。
| 施策 | 費用の仕組み | 費用の目安(一例) |
| Web広告 | クリック課金(CPC)、インプレッション課金(CPM)、成果報酬など | 月額数万~数百万円(広告費)。運用代行費は広告費の10〜20%程度が相場。 |
| リスティング広告 | クリック課金 | 1クリックあたり数十円~数千円(競合性による)。月額10万円〜。 |
| SNS広告 | クリック課金、インプレッション課金、フォロー課金など | 日額数百円から開始可能。月額数万円〜数十万円。 |
| オウンドメディア制作 | 初期制作費、月額運用費 | 初期費用:100万〜800万円程度。月額運用費(維持管理):数万円〜数十万円/月。 |
| コンテンツ(記事)制作 | 記事単価、月額固定 | 外注の場合:1記事あたり1万〜10万円以上(専門性、文字数による)。 |
| SEOコンサルティング | 月額固定型、スポット型 | 月額10万〜50万円程度。 |
| ランディングページ(LP)制作 | 制作一式 | 10万〜100万円程度。 |
予算を決める際の視点
具体的なマーケティング費用を決定する際には、以下の視点が役立ちます。
1. 売上高に対する割合(目安)
企業の規模や業種、成長段階によって異なりますが、マーケティング費用を収益(売上高)の数%で考えることがあります。
- B2B企業: 収益の約 5% 〜 10% 程度
- B2C企業(サービス・製品): 収益の約 10% 〜 15% 程度
※あくまで目安であり、新規事業立ち上げや成長期は割合が高くなる傾向があります。
2. スモールスタートで始める
特に中小企業や新規参入の場合、Web広告やSNS広告などは少額から始められるため、小さな予算で試行錯誤し、成果が出た施策に徐々に予算を集中させる方法も有効です。

