中小企業の自社サイトにアフィリエイト広告掲載するメリット

目次
中小企業が自社サイトに他社製品のアフィリエイト広告を掲載することは、一般的によくあります。
これは、中小企業にとって様々なメリットがあるためです。
中小企業がアフィリエイト広告を掲載するメリット
- 収益の多様化・向上:
- 自社製品やサービス以外の収益源を確保できます。サイトへのアクセス数が多い場合、広告収入が安定した副収入となる可能性があります。
- コンテンツの充実とユーザーエンゲージメントの向上:
- 自社製品と関連性の高い他社製品を紹介することで、訪問者にとって役立つ情報を提供でき、サイトの利便性や専門性を高めることができます。
- 初期費用の抑制とリスクの低減:
- 広告枠の提供自体には基本的に費用がかかりません。成果報酬型であるため、自社で在庫を持つリスクや、広告費を先行して支出するリスクがありません。
- SEOへの貢献 (間接的):
- 質の高い関連コンテンツが増えることで、検索エンジンからの評価が上がり、結果的に自社サイトのSEO(検索エンジン最適化)に貢献する可能性があります。
掲載の判断基準
掲載するかどうかは、主に以下の点を考慮して判断されます。
- 自社製品との関連性: ターゲットとする顧客層や、自社の事業内容と関連性の高い製品やサービスを選ぶのが基本です。(例:バイク部品を販売するサイトが、ツーリング保険やガジェットのアフィリエイトを掲載する)
- サイトデザイン・ユーザー体験への影響: 広告の量や配置が、サイトの使いやすさやブランドイメージを損なわないよう配慮されます。
- 報酬率: 成果に対してどれくらいの報酬が得られるのかを考慮します。
結論として、収益源の多角化とコンテンツの充実を図る目的で、多くの中小企業がアフィリエイト広告を活用しています。
中小企業が自社サイトにアフィリエイト広告を掲載するデメリット
中小企業が自社サイトにアフィリエイト広告(他社の製品やサービスを紹介し、成果に応じて報酬を得る広告)を掲載する場合、いくつかのデメリットが考えられます。
1. サイトの信頼性・ブランドイメージの低下
- ユーザーの混乱と離脱: ユーザーが求めている自社の情報や商品と関係のない他社の広告が表示されることで、サイトが「広告だらけ」と見なされ、ユーザーエクスペリエンス(UX)が低下し、サイトからの離脱を招きやすくなります。
- ブランドの一貫性の喪失: 自社のブランドイメージや提供する価値と合わない広告を掲載することで、ブランドの一貫性や専門性が損なわれる可能性があります。
- 信頼性の問題: 質の低い商品やサービスのアフィリエイト広告を掲載した場合、それが原因で自社サイト全体の信頼性が低下するリスクがあります。
2. 本業の収益機会の損失
- カニバリゼーション(共食い): 広告が自社の商品やサービスへの導線と競合し、本来は自社の商品を購入するはずだったユーザーが、アフィリエイト広告を経由して他社のサービスを利用してしまう「収益のカニバリゼーション」が発生する可能性があります。
- ユーザーの注意の分散: 広告が目立ちすぎると、ユーザーの注意が自社のコアコンテンツや商品から逸れ、本来の目的である自社商品・サービスの購入や問い合わせに結びつきにくくなります。
3. サイト管理・運営の手間
- 管理の手間: 掲載する広告の選定、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)との連携、成果レポートの確認、報酬の管理など、定期的な管理作業が発生します。
- 法律・規制の遵守: 景品表示法や薬機法など、広告に関する法律や規制を遵守する必要があります。広告内容に問題がないか、常にチェックする手間がかかります。
4. 収益性の不確実性
- 少額な報酬: アフィリエイト広告による収益は、クリックや成果が発生して初めて得られるものであり、特に中小企業の小規模なサイトではまとまった収益を得るのが難しい場合があります。
- 広告主側の都合: 広告主側の都合で突然広告の掲載が終了したり、報酬単価が変更されたりするリスクがあり、収益が安定しない可能性があります。
結論
中小企業が自社サイトを運用する際の最大の目的は、自社の製品やサービスを販売し、ブランド価値を高めることにあるべきです。
アフィリエイト広告の掲載は、短期的な少額の収益には繋がるかもしれませんが、上記のようなデメリットを考慮すると、自社サイトの「資産価値」や「ブランドイメージ」を損なうリスクの方が大きいと判断されることが一般的です。
サイトの目的が「情報発信を主とするメディアサイト」なのか、「自社製品の販売を主とするコーポレートサイト/ECサイト」なのかによって、デメリットの大きさは異なります。
中小企業のアフィリエイト広告掲載状況
考えられる状況と関連情報
中小企業のウェブサイトに関する調査データから、以下のような状況が推測されます。
- ウェブサイトの開設率がまず低い
- 2023年の調査によると、中小企業のホームページ開設率は約50%前後であり、大企業と比べて低水準です(総務省の調査は常用雇用者100人以上の企業が対象のため、中小企業の実態とは乖離があります)。
- そもそもホームページがない、または情報発信のみで収益化を目的としていない企業が多い可能性があります。
- アフィリエイトは「広告主側」としての利用が多い
- 一般的に、中小企業がアフィリエイトという言葉を使う場合、自社の商品・サービスをアフィリエイターに紹介してもらう「広告主」としてアフィリエイト広告を「出稿・運用する」ケースが多いです。
- この「広告主」としてアフィリエイトを運用している企業は一定数存在し、アフィリエイト広告を運用している企業の77.7%が複数のASPを利用しているという調査結果もあります。
- 自社サイトへの「広告掲載」は優先度が低い
- 中小企業がウェブサイトを運用する主な目的は「自社の情報発信」「新規顧客獲得」「採用活動」などであり、「広告収益を得ること」を主目的としているケースは、ウェブメディア運営を主業とする企業を除き、稀であると考えられます。
- ウェブサイトの運用リソースも限られていることが多いため、他社広告の掲載による収益化は、優先度の高い活動ではないと推測されます。
結論として、自社サイトにアフィリエイト広告を「掲載している」中小企業の割合は、ウェブサイトを開設している企業の中でも、かなり限定的である可能性が高いと言えます。



